スマホ決済と確定申告 やさしい解説

スマホ決済利用者が知るべきフリマ・ポイント収入の確定申告:所得区分と申告基準

Tags: スマホ決済, 確定申告, フリマアプリ, ポイント, 所得税

はじめに:スマホ決済とフリマ・ポイント収入、税金の関係

フリマアプリでの不用品販売や、ポイントサイトでの活動、あるいはキャッシュレス決済の還元ポイントなど、スマホ決済を通じた金銭のやり取りは私たちの生活に深く浸透しています。これらの活動で得た収入は、「税金と無関係」と考えてしまいがちですが、実は確定申告の対象となる場合があります。

特に「年間いくら以上の収入で申告が必要なのか」「自分の収入はどの所得に分類されるのか」といった疑問は、多くの方が抱えていることでしょう。この疑問を解消し、ご自身の状況を正しく判断できるよう、基本的な知識を分かりやすく解説していきます。

確定申告とは何か

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得(収入から経費を差し引いたもの)を計算し、それに対する所得税の額を国に申告・納税する手続きのことです。申告義務があるにもかかわらず、確定申告を行わないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。

税金に関する手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、ご自身の状況を正しく把握することが大切です。

フリマアプリの売上は確定申告が必要?所得の種類を解説

フリマアプリでの販売は、その内容によって確定申告の要否や所得の種類が異なります。

1. 生活用動産の売却は非課税が原則

私たちが日常生活で使用している家具、衣類、家電製品などを売却して得た収入は、原則として所得税が課されません。これを「生活用動産の譲渡による所得の非課税」と言います。例えば、着なくなった服や使わなくなった本、趣味のグッズなどをフリマアプリで販売し、お金を得た場合がこれに該当します。

2. 営利目的・継続的な売買は「雑所得」または「事業所得」

しかし、以下のような場合は「生活用動産の譲渡」とはみなされず、課税の対象となります。

ご自身のフリマアプリでの活動が、単なる不用品販売なのか、それとも継続的なビジネス活動なのかによって、税務上の扱いが大きく変わる点に注意が必要です。

ポイント収入は確定申告が必要?所得の種類を解説

クレジットカードのポイント、キャッシュレス決済の還元ポイント、ポイントサイトで貯めたポイントなど、様々な形でポイントを獲得する機会が増えています。これらのポイントも、税務上の扱いが異なります。

1. 基本は「一時所得」または「雑所得」

ポイント収入は、その獲得方法や性質によって「一時所得」または「雑所得」に分類されることが多いです。

2. その他のポイントの扱い

ポイントは非常に多様な形で付与されるため、個別の判断が難しい場合があります。

スマホ決済の利用履歴を確定申告に活用する方法

スマホ決済の利用履歴は、確定申告において重要な役割を果たすことがあります。

1. 収入の把握に役立つ

フリマアプリの売上代金やポイントサイトからの振込など、スマホ決済を通じて得た収入は、利用履歴として詳細に残ります。これにより、ご自身の年間収入を正確に把握する手助けとなります。

2. 経費の証明に役立つ

もしフリマアプリでの販売が事業所得や雑所得に該当する場合、商品を仕入れた費用や送料、梱包材費用などが「経費」として認められることがあります。スマホ決済でこれらの支払いを行っていれば、その利用履歴が経費の証明書類となり得ます。

正確な収入と経費を把握することは、正しい確定申告を行う上で不可欠です。

確定申告が必要になる年間収入の基準

「自分の収入が課税対象になるのか、確定申告が必要なのか」という点が、最も気になるポイントかもしれません。

給与所得者の場合:年間20万円の基準

会社から給与を受け取っている方(給与所得者)の場合、給与所得以外の所得が年間で20万円を超える場合に、確定申告が必要になります。

20万円以下でも住民税の申告が必要な場合

所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。給与所得以外の所得が20万円以下の場合でも、所得がある場合にはお住まいの市区町村に住民税の申告を行う必要があります。これを怠ると、国民健康保険料などの計算に影響が出る可能性があります。

まとめと専門家への相談

スマホ決済を通じて得たフリマアプリの売上やポイント収入は、その性質や金額によって確定申告の要否が異なります。

給与所得者の方で、給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。また、20万円以下の場合でも住民税の申告が必要なケースがあるため注意が必要です。

税務に関する判断は、個々の状況によって複雑になることがあります。この記事が基本的な理解の一助となれば幸いですが、ご自身のケースで不安な点がある場合は、税務署や税理士などの専門家にご相談いただくことをお勧めします。